0.48.4 Windows 64bit版
Inkscape 0.48.4のWindows64bit版をインストールしてみました。
64bit版の利点
- 処理速度が32bit版に比べて処理が高速。
- バージョン0.48.4でも数字入力欄が無効になる不具合が発生しない。
必要な環境
Inkscape 64bit版を利用するには、64bit版のWindowsが必要です。
インストール
Windows 64bit版は、(http://www.partha.com/) からダウンロードできます。トップページ左側にあるリンクからダウンロードしてください。インストーラつきのファイルがダウンロードされます。
ダウンロードしたファイルを実行し、画面に従って進めれば簡単にインストールできます。
カスタマイズ
起動アイコン
0.48.4 Windows 64bit版には実行ファイルにアイコンが埋め込まれていないため、ショートカットのアイコンにWindowsデフォルトのものが使用されます。これをInkscapeのアイコンに変更するには、次の手順で設定します。
- ショートカットを右クリックしてプロパティを開く。
- 「ショートカット」タブにある「アイコンの変更」ボタンをクリックする。
- Inkscapeをインストールしたフォルダの下にあるinkscape.icoを指定して「OK」をクリックする。
- 「OK」をクリックしてプロパティを閉じる。
ただし、上記手順で変更できるのはショートカットのアイコンのみで、起動したアプリケーションの右上部に表示されるアイコンは変更されません。
アプリケーションにアイコンを埋め込むには、ツールが必要です。フリーで利用できるものに「IconChanger」というツールがあります。ツール製作者はWindows XPまでの対応をうたっていますが、Windows 7でも動作したという報告もあります。ツールを使ったアイコンの埋め込み方についての詳細は、ここでは割愛します。ツールのマニュアルなどを参照してください。
メニューのフォント
インストールした状態では、次のようにメニューのフォントが明朝体になっています。
このフォントをWindows標準のMeiryoに変更するには、次の設定ファイルを編集する必要があります。
- [Inkscapeインストール場所]\etc\pango\pango.aliases
インストールした状態ではpangoフォルダが存在しないため、フォルダを作成してその下にpango.aliasesファイルを作成してください。pango.aliasesファイルに次の内容を書き込みます。
courier = "courier new" tahoma = "tahoma,meiryo,browallia new,mingliu,simhei,gulimche,kartika,latha,mangal,raavi" sans = "arial,meiryo,browallia new,mingliu,simhei,gulimche,kartika,latha,mangal,raavi" serif = "times new roman,meiryo,angsana new,mingliu,simsun,gulimche,kartika,latha,mangal,raavi" mono = "courier new,ms ui gothic,courier monothai,mingliu,simsun,gulimche,kartika,latha,mangal,raavi monospace = "courier new,ms ui gothic,courier monothai,mingliu,simsun,gulimche,kartika,latha,mangal, メイリオ = "meiryo"
ファイル作成後にInkscapeを再起動すると、次のようにメニューのフォントがMeiryoで表示されるようになります。
ウィンドウのスタイル
64bit版をインストールすると、初期状態では次のような画面になります。
画面上のスタイルを定義するファイルは、次の場所に置かれています。
- [Inkscapeをインストールした場所]\etc\gtk-2.0\gtkrc
スタイルをInkscape標準のものに変更するには、上記ファイルを次の内容に書き換えてからInkscapeを再起動します。
gtk-icon-sizes="gtk-menu=14,14:gtk-small-toolbar=16,16:gtk-large-toolbar=24,24:gtk-dnd=32,32" gtk-toolbar-icon-size=small-toolbar gtk-button-images=0 style "msw-default" { GtkWidget::interior_focus = 1 GtkOptionMenu::indicator_size = { 9, 5 } GtkOptionMenu::indicator_spacing = { 7, 5, 2, 2 } GtkToolbar::shadow-type = etched-in GtkHandleBox::shadow-type = etched-in GtkSpinButton::shadow-type = in GtkComboBox::add-tearoffs = false GtkTreeView::allow-rules = 0 GtkTreeView::expander_size = 11 font_name="Tahoma 9" engine "wimp" { } } class "*" style "msw-default" style "my-font" { # フォントサイズ(ツールチップ以外) font_name="Tahoma 10" } widget "*" style "my-font"
Inkscape 64bit版でインストールされているスタイルをそのまま利用して色のみ変更する場合、ファイルの先頭近くにある次の行を編集します。
gtk_color_scheme = "fg_color:#E6E6E6\nbg_color:#555753\nbase_color:#2E3436\ntext_color:#D3D7CF\nsele3D\nselected_fg_color:#7AA3CC\ntooltips_bg_color:#EDDE5C\ntooltips_fg_color:#000000"
パラメータは「\n」で区切られていて、RGB16進数で色を指定します。各パラメータの内容は、次のとおりです。
パラメータ名 | 説明 |
---|---|
fg_color | Inkscapeウィンドウのテキスト色 |
bg_color | Inkscapeウィンドウの背景色 |
base_color | 入力欄の背景色 |
text_color | 入力欄のテキスト色 |
selected_bg_color | 選択中の入力欄の背景色 |
selected_fg_color | 選択中の入力欄のテキスト色 |
tooltips_bg_color | ツールチップの背景色 |
tooltips_fg_color | ツールチップのテキスト色 |
gtkrcの内容を書き換えることで、色だけでなくさまざまなスタイルを変更できます。詳しくはGNOME Library (英語)を参照してください。