はじめに

Inkscapeは、オープンソースのベクタ画像エディタです。数人の開発者チームにより、GPLライセンスのもとに公開されています。

「ベクタ画像エディタ」とは、「ドローソフト」や「ドロー系」などとも呼ばれ、Adobe IllustratorやCorel Drawなどがその仲間です。一方、デジタルカメラで撮った写真などは、ラスタ画像あるいはビットマップ画像と呼ばれ(GIFやJPEGなど)、これを編集するのに適しているのが、ラスタ画像を扱う「ペイントソフト」や「レタッチソフト」と呼ばれるソフトウェアです。Adobe PhotoshopやフリーウェアのGIMPなどがあります。

Inkscapeは海外製のソフトウェアですが、メニューが日本語化されているので日本人にも親しみやすく出来ています。また、他のアプリケーションに比べ、操作が直感的にわかりやすいソフトウェアだとも言われています。実際、これまでドローソフトにはまったく縁のなかった私にも扱いやすく感じたくらいですから、初心者向きと言って良いと思います。しかしそれでいて、これからも発展の余地が大いにあるとは言え、今でも十分に高機能です。

Inkscapeが読み書きするファイルフォーマットには、W3Cによって規格を決められたSVG (standard vector format) という国際標準フォーマットが使われています。InkscapeにはXMLエディタが付属していて、XMLの一種であるSVGを直接編集することができます。従ってSVG形式を理解していれば、Inkscapeがまだ対応していない機能もXMLを書き換えて編集することができるのです。

最終更新: 2013-05-22 05:09:22