Inkscapeではビットマップ画像をトレースしてパスを生成することができます。この機能は 「Potrace」 を使って実装されています。ビットマップのトレースは、「ビットマップのトレース」ダイアログ (メニューから「パス → ビットマップをトレース」、またはShift+Alt+B) を使って行います。
「ビッ トマップのトレース」ダイアログには、プレビューがあります。トレースするビットマップオブジェクトを選択し、「更新」ボタンをクリックしてプレビューを 更新しながらオプションを変更して、オプションの調整ができたら「OK」をクリックすると、トレースオブジェクトをキャンバス上に作成します。トレースす る対象の画像は、輪郭のはっきりしたものの方がきれいにトレースできます。
たとえばビットマップで描かれた文字をトレースすると、次のようになります。
元画像 | トレース後 |
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トレース結果だけ見ると違いがあまりわかりませんが、ビットマップ画像とトレースされたパスを両方拡大してみると、きれいにトレースできているのがわかります。
元画像(拡大) | トレース後(拡大) |
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トレース方法には、大きく分けて次の2種類があります。
- 単一スキャン
- 多重スキャン
単一スキャンは、ビットマップをトレースしてひとつのパスを生成します。多重スキャンでは、指定された回数だけスキャンを繰り返し、スキャンした数だけパスを生成します。
ここでは、トレース対象のサンプルとして次の2種類のビットマップを使います。
線画 | 写真 |
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