コネクタとは
Inkscapeでは、オブジェクトとオブジェクトの間をつなぎ、オブジェクトを移動すると一緒に移動する線を描くことができます。こうした機能のある線を、「コネクタ」と呼びます。
コネクタは、 コネクタツール(ツールボックスから コネクタツール選択、または Ctrl+F2 またはO)を使って作成します。
コネクタの作成
コネクタツールでオブジェクトの上へマウスを持って行くと、オブジェクトの中央に接続ポイントが四角いハンドルとして表示されます。そこをクリックするとコネクタが開始され、また別のオブジェクトの接続ポイントをクリックすると、コネクタが作成されます。
接続ポイントはオブジェクトの中央に表示されますが、実際のコネクタはオブジェクト周囲の境界線同士をつなぎます。矩形や円などの境界線はストロークの位置にありますが、星型や渦巻などでは必ずしもストローク位置がコネクタの接続位置とは限りません。
始点選択 | 終点選択 | コネクタ生成 |
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接続ポイントのない場所をクリックしてコネクタの終端を指定すると、オブジェクトに接続されていない終端となります。ブジェクトに接続されていない終端をオブジェクトに接続するには、コネクタツールで終端をドラッグし、接続したいオブジェクトの接続ポイントにドロップします。
初期設定ではテキストをコネクタで接続することはできません。テキストにもコネクタを接続したい場合には、「Inkscapeの設定」のコネクタツールの設定の中の 「テキストオブジェクトにはコネクタを接続しない」のチェックをはずします。
コネクタの編集/調整
コネクタツールを選択すると、コントロールバーに次のようにコネクタの設定用アイコンが表示されます。
オブジェクトを選択して次のアイコンを使用すると、選択したオブジェクトをコネクタが迂回するか、無視して上を通るかを指定できます。
選択オブジェクトをコネクタが迂回するようにする | |
選択オブジェクトをコネクタが無視するようにする |
たとえば中央の円を指定して上記のアイコンを使用すると、次のようになります。
オブジェクトを迂回 | オブジェクトを無視 |
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オブジェクトを迂回するとき、オブジェクトとどれだけの間隔をあけて迂回するかは、コントロールバーの「間隔」に指定します。ここに指定した値は、ドキュメント内のすべてのコネクタの迂回に適用されます。
コネクタで接続したオブジェクトのネットワークは、自動で適切な位置を計算して配置することができます。この配置の計算には、KK法(Kamada Kawaiのアルゴリズム)が使われています。コントロールバー、または「整列/配置」ダイアログにある「コネクタのネットワークレイアウト」 をクリックすると自動で配置します。コントロールバーの「長さ」には、レイアウト適用時のコネクタの理想の長さを指定します。オブジェクト数が多く複雑なネットワークの場合には、長めの値を設定するときれいに配置できます。
レイアウト適用時には、コントロールバーで次のオプションを選択できます。
コネクタの矢印が(なるべく)下向きになるよう配置 | |
シェイプの重なりを許可しない |
をチェックしてレイアウトを実行すると、コネクタが片方向きの矢印になっている場合、その矢印がなるべく下向きになるように配置します。また、をチェックして実行すると、シェイプが重ならないよう調整して配置します。
元のネットワーク | 自動で配置 | 矢印が下向きになるよう配置 | 矢印を下向きに重ならないよう配置 |
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