Inkscapeとは、Adobe IllustratorやCorel DrawやFreehandやXara Xなどと似た、 オープンソースのベクタ画像エディタです。 Inkscapeの特徴は、標準のファイルの保存形式として、 XMLベースのW3C標準であるスケーラブルベクタグラフィックス(SVG)を採用しているところです。
PhotoshopやGimpなどのラスタ画像エディタと異なり、 Inkscapeは画像をベクタ形式で保存します。 ベクタ画像とは、画面上で見ている画像の解像度には影響されないものです。 ラスタエンジンはこの情報を使って、 それぞれの解像度やズームレベルで画面上の線をどのように描画するかを決定します。
一方、ラスタ画像は必ず特定の解像度に限定され、 画像の情報情報を格子状のピクセルとして保存します。
ベクタ画像は、ラスタ画像の代わりとなるものというよりは、 ビットマップ画像を補完するものです。 それぞれ異なる目的を持ち、異なる分野において便利なものです。 ラスタ画像は写真やある種の芸術作品に向いており、 一方ベクタ画像は構図、ロゴ、テキスト入り画像、工業イラストレーションなどに向いています。
Inkscapeではビットマップ画像も表示できることに注意してください。 インポートされたビットマップ画像もまたオブジェクトのひとつとなり、 他のオブジェクトと同様にあらゆる操作(移動、変形、クリップなど)が行えます。
スケーラブルベクタグラフィックス(SVG)とは、 ベクタ画像のためにW3Cにより作られた、 オープンで業界標準なXMLベースの形式です。 SVGの利用は急速に広まっています。 最近のベクタエディタの多くはSVG形式のインポート/エクスポートが可能ですし、 新しいブラウザ(Firefoxやオペラなど)ではプラグインなしにSVGを表示できます。 さらに詳しくは、このFAQの「SVGについて」の項を参照してください。
はい。 Inkscapeには一流のベクタエディタのような機能がすべて実装されているわけではありませんが、 最近のバージョンではベクタ画像エディタとして基本的な機能はほとんどカバーしています。 様々な分野(Webグラフィックス、技術的な図表、アイコン、芸術作品、ロゴ、地図など) でInkscapeを活用できているとの報告を聞いています。 たとえばWikipediaで使われている何千もの画像はInkscapeで作成されたものですし、 openclipartに登録された作品の多くもそうです。 ユーザと開発者が近密にやりとりすることが良い結果を生み出すと信じているので、 常に実際のユーザに便利なものとなるよう開発を進める努力をしています。 他のツールと並行してInkscapeを使っても結構です。
バイナリパッケージは、Linux、Windows 2000/2003/XP(自解凍インストーラ付き)、 OS X(dmpファイル)を提供しています。 FreeBSDやその他のUNIX系OSで動作することもわかっています。 Windows 98/Meは現在はサポート対象外ですので、注意してください。
Inkscapeは2003年後半にSodipodiから分岐し、 4人の開発者によって開発が開始されました。 その開発者は、Bryce Harrington, MenTaLguY, Nathan Hurst, そして Ted Gould です。 我々の使命は、 スケーラブルベクタグラフィックス(SVG)に完全準拠したドローツールをC++を使って書き上げ、 現代的でよりユーザフレンドリな(Gnome HIGに準拠した)インタフェースを持たせ、 オープンでコミュニティ指向な開発プロセスを実現することです。 数か月の間に数回にわたってリリースを行い、 新しくかつ重要な機能追加や機能改善をいくつも披露し、 たちまちのうちにInkscapeを注目に値するオープンソースプロジェクトとして確立しました。
この名前は「ink」と「scape」というふたつの英単語から作られています。 インクは描くときに使われる材料で、 スケッチした絵を紙の上に永久的に残すときに使われるものです。 ここから、画像を生み出すツールであるInkscapeを連想しました。 「scape」はlandscape(景色)、ocean-scape(海の眺め)という言葉で使われているように 様々なものの眺めであり、 ここからベクタ画像処理のオブジェクト指向な性質を連想しました。
できると言えばできます。
たくさんのWebページ製作者が、 バナーやロゴやアイコンなど様々なWeb上のパーツをInkscapeで作成しています。 (FirefoxやOperaなど)最近のブラウザの進化により、 SVGをWebページに直接表示できるようになってきています。 たとえばバージョン1.5以降のFirefoxではSVGを直接開くことができ、 きちんと表示できます。 理論的にはXHTMLとSVGは同じドキュメント上で利用することが可能です。 興味のあるユーザはこの方面をもっと詳しく調べてみてください。
しかし残念なことに、 SVGがインターネット上の画像形式の標準として定められているにもかかわらず、 古いブラウザ(だがまだ広く使われているもの)の中にはSVGをサポートできないものもあります。
より多くのブラウザに表示してもらう必要のあるWebページ製作者は、 最後のステップでそれぞれのSVGをラスタ画像(.png)に変換して使用します。
いいえ。 まだInkscapeではSVGアニメーションをサポートしていません。 サポートしているのは、静的な2次元画像だけです。 しかし、Inkscapeで作成した画像をフラッシュにエクスポートしたり、 GIFアニメーションの作成に使ったりすることはできます。 さらに2006年2月より、 BlenderではSVGをインポートして3Dレンダリングに利用できるようになりました。
開発が順調に進めば、いつかは必ず1.00をリリースする日が来ます。 いかし、それがいつになるかについては、まだはっきりしていません。
1.00をリリースする前に完了しなくてはならないもののひとつに、 SVG 1.1の規格を完全な形で実装することが挙げられます。
輝かしく1.0をリリースする前に、 やり残していることを片付け、安定性を向上し、 荒削りな部分を洗練していかなくてはなりません。 この作業には時間がかかりますから、 1.00のリリースまでにはまだ何度もリリースが行われることになるでしょう。
Windows XP上にすでにInkscapeをインストール済みで、 インストーラを起動した場合、 古いバージョンをアンインストールするかどうか聞かれます。 ここで「はい」と答えると、旧版がアンインストールされ、その後にインストールが開始されます。
しかし、インストールフォルダ(デフォルトでは C:\Program Files\Inkscape)にファイルが残り、 そのためインストールがうまく行かないことがあります。 この場合にはファイルマネージャを使って、 インストールフォルダに残っているファイルをすべて削除してください。 その後、インストールを再開してください。